どうもじんでんです。今回は、Wi-Fi6の速度の検証をしたので記事にしました。ネット上や雑誌にて、Wi-Fi6は有線LANに匹敵すると書かれています。本当にそうなのか?置き換えることができるのか?について検証しました。
Wi-Fi6とは?
Wi-Fi6とは、2020年12月現在で最新のWi-Fiの規格です。Wi-Fi6は正式には「IEEE 802.11ax」となります。最大速度は9.6Gbpsとされております。
Wi-Fiの規格はこれまで、「IEEE 802.11ac」や「IEEE 802.11n」「IEEE 802.11g」等の規格がありました。しかし「IEEE 802.11〇」のように末尾だけが違い、どれが新しくどれが古いのか非常に分かりづらいものでした。そこで規格を分かりやすくするために「Wi-Fi〇」といった風に名称がつけられるようになりました。〇の数字が大きい方が新しい規格となります。
Wi-Fiの名称と規格を簡単にまとめたのが次になります。
名称 | 規格 | 最大速度 | 登場年月 |
Wi-Fi4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2009年9月 |
Wi-Fi5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 2013年12月 |
Wi-Fi6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2020年1月 |
Wi-Fi4より前の規格は名称がつけられておらず、古い規格なので割愛します。
有線LANの速度
有線LANにも様々な規格があり、最大速度に違いがあります。
- 100BASE-T:最大速度100Mbpsの規格です。
- 1000BASE-T:最大速度1000Mbps(1Gbps)の規格です。
- 10GBASE-T:最大速度10Gbpsの規格です。
この中で、現在主流なのは1000BASE-Tです。よって多くの家庭内のLANは1Gbpsで通信できます。
※100BASE-Tの機器もまだ存在します。
検証する構成及び機器
今回の検証するにあたり、機器や構成を紹介しておきます。
Wi-Fiルーター
Wi-FiルーターはASUSのRT-AX82Uです。
Wi-Fi6に対応し5GHz帯で最大4804Mbpsで通信が可能です。
Wi-Fi子機
Wi-Fiの子機は、MSIのマザーボード「MAG B550M MORTAR WIFI」に標準でついているものを使用します。
「MAG B550M MORTAR WIFI」はIntel Wi-Fi 6 AX200を搭載しています。なので後付のIntel Wi-Fi 6 AX200と同じ性能と思っていいでしょう。
Wi-Fi6の性能は2ストリームの160MHzに対応し最大2401Mbpsで通信が可能です。
構成
構成は下記の図の通りです。
速度の検証
私はLAN上にNASを置いて、様々なデバイスでデータの共有をしています。
画像程度ならいいですが、動画となると高速で通信できないとまともに使えません。よってデスクトップPCは有線LANで接続しています。
しかしこれがWi-Fi6で無線接続し、有線接続と同等の速度がでればケーブルが減らせるのでメリットがあります。
今回は「LAN Speed Test」というソフトを使用して、LANの速度を測定します。「LAN Speed Test」についてはこちらの記事をご覧ください。
有線接続での速度
まずはPCとルーターを有線LANで接続したときの速度を測定します。PCからNASの特定フォルダを指定して測定します。
計10回測定して、結果は次の通りです。
書き込み (Mbps) | 読み込み (Mbps) | |
1 | 773.29 | 816.16 |
2 | 750.39 | 809.44 |
3 | 774.86 | 803.72 |
4 | 755.49 | 822.33 |
5 | 760.42 | 811.13 |
6 | 736.91 | 805.97 |
7 | 726.64 | 810.64 |
8 | 749.13 | 803.16 |
9 | 773.68 | 804.28 |
10 | 667.57 | 815.22 |
平均 | 746.84 | 810.21 |
平均で書き込み約750Mbps、読み込み約810Mbpsです。規格上最大の1000Mbpsの80%程度の性能が出ています。これは測定ソフトなども影響していると考えられます。
また速度も安定しています。大きく変化することもありません。これも有線接続の魅力ですね。
問題はWi-Fi6で、この結果に匹敵できるかです。
無線接続での速度
PCとルーターを無線LANで接続したときの速度を測定します。PCからNASの特定フォルダを指定して測定します。
計10回測定して、結果は次の通りです。
書き込み (Mbps) | 読み込み (Mbps) | |
1 | 338.39 | 377.58 |
2 | 278.05 | 358.95 |
3 | 300.61 | 382.45 |
4 | 284.95 | 387.31 |
5 | 313.08 | 429.85 |
6 | 318.83 | 374.31 |
7 | 319.81 | 368.40 |
8 | 442.67 | 445.50 |
9 | 403.36 | 436.71 |
10 | 317.55 | 397.62 |
平均 | 331.73 | 395.87 |
平均で書き込み約330Mbps、読み込み約400Mbpsです。
規格上最大の2401Mbpsの15%程度の性能が出ています。有線接続と比べると半分程度の性能です。また最大値と最小値の差も大きく不安定と言えます。
結果
結果は、Wi-Fi6でも有線接続には敵わないです。
Wi-Fiは周囲の状況や距離に大きく影響されます。今回の検証は、リビングの角に無線ルーターが設置してあり対角線の端にPCがある状況です。PCもルーターも棚に収納しているので、その辺りも影響していると考えられます。しかしこれが実際に使用する環境での結果とも言えます。環境が変われば、また違う結果が出るかもしれません。
しかしWi-Fi6は、今までの無線LANに比べると間違いなく早くなっています。Wi-Fi6未搭載のノートPCでも検証しましたが、100Mbpsを超えることはありませんでした。
この検証結果が少しでも参考になればと思います。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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